【ルマナイブログ】初めの一歩を踏み出した私の国際協力

古瀬 大治   

旅すること=かけがえのないこと

私は小さなころから“旅”が好きでした。

いや、正直に言うと“鉄道”が好きな少年、いわゆる「鉄道オタク」でした。

それゆえ、どうしても金沢にはない路面電車に乗りたくて、小学生のころ親に黙ってお隣の富山県までに乗りに行ったこともありました。(後で親にばれてこっぴどく怒られましたが)

それから鉄道オタク+飛行機オタクになり、大学生になるとせっせとアルバイトに精を出してお金を貯めて、長期の休みになるとできるだけ長く飛行機に乗るために異国の地に旅に出かけるようになりました。

そんな中、旅に出るたびに出会う、見たことがない風景や食べ物、そして旅先で出会った人々から受けた優しさに感動を覚え、旅することが自分にとってかけがえのないものになりました。

そんな私でしたが、大学卒業後社会人として日々を過ごすうちに、一度は海外で住んでみたい、海外で働いてみたいという気持ちが高ぶりました。

ちょうど研修医が終わるころでもあったのでいいタイミングだと思い、色々と調べるようになり、その中で見つけたのが「青年海外協力隊」でした。

海外で仕事が出来てかつ、旅で受けた優しさの恩返しのために現地の方々のために働けると思い、すぐにJICAに電話しました。

しかし、残念ながらその時は歯科医師の募集はなく、また歯科医師のスキルを活かせる募集もありませんでした。

「まぁ、仕方ないか」と自分に言い聞かせ、そのまま東京で仕事しながら、ちょこちょこ南の島やアジアを中心に旅に出る日々を過ごしていました。

サモア…それは突然の出会い

それから月日が流れ、32歳の時に郷里の金沢で歯科医院を開業することになりました。

ちょうどその時、金沢では石川県にいる大学の同窓生による同窓会が開かれ、私もお誘いを受け参加しました。

そこで出会ったのが大学の先輩でそして共同代表でもある浦崎でした。

浦崎も旅が好きで、話をすればいつも旅の話で盛り上がっていました。

その中で、よく話題の出てきたのは「サモア」ことでした。

浦崎が以前サモア国立病院で協力隊員として勤務しており、そのご縁でサモアのサバイイ島の小学校で虫歯を予防するために歯科検診を行った話

虫歯予防のためのフッ素洗口の方法をその小学校の先生や児童に指導した話

現在も続けており、サモアの人や自然がこんなにも素晴らしいという話

このような話を何度か聞くうちに、僕も「サモア」に興味を持つようになりました。

歯科医師として虫歯予防の活動に興味もありましたが、それ以上に旅人としてサモアを一度旅してみたいという気持ちが徐々に大きくなっていった感じです。

そしてメンバー紹介にも書きましたが、2018年の初めに浦崎から「サモアに行かない?海がとっても綺麗だよ」と誘われ初めてサモアに行くことになりました。

(実はこの誘い文句に続きかありまして、「サモアまでいっぱい飛行機に乗れるよ」がダメ押しになった気もします(笑))

私の心を揺れ動かしたもの

そんなこんなで2018年9月に私は初めてサモアを旅しました。

サバイイ島で滞在するホテルに到着し、浦崎と落ち合うまで時間があり、サバイイ島の景色を楽しみたく、散歩にでかけました。

島をぐるりと回る道をぶらぶらしましたが、そこから見える景色は、椰子の木が立ち並ぶ砂浜とそれに続く透きとおるように美しい海、そしてどこまでも広がる青い空に浮かぶ白い雲、その風景はまさに「楽園」でした。

その途中、学校帰りに子供たちに屈託のない笑顔で挨拶され、道路沿いに建つサモアの伝統的な住居「ファレ」たたずむ人々からは「どこから来たの?お茶でも飲んでいかない?お話ししよう!」と笑顔で誘われ、お茶をごちそうになり、ついつい話し込んでしまいました。

見も知らずのアジア人を、何の疑いもなく受け入れ、そしてもてなそうとしてくれるサモアンホスピタリティとサモアの人々の笑顔に私の心がとても揺れ動かされ、僕自身が元気になれたのを覚えています。

この旅で訪問したツアシビ小学校の児童たちや先生方、ツアシビ病院歯科のスタッフのみなさんも、もちろん同じ笑顔で私に接してくれました。そんな気持ちがこの活動に参加する原動力になったのだと思います。

そして2019年9月、再びサモアを訪れました。

この時はウポル島にある国立病院を見学し、サモアでの歯科医療の実態を知りうる機会を得ましたが、まだまだ残せそうな歯でも様々な理由で抜歯になることが多く、何とか抜歯をしないで済むにはどうすればいいかと考える必要があると思ったのを覚えています。

ツアシビ小学校では子供たちの前で歯磨きの大切さについて話す機会をいただき、拙い英語でドギマギしながらお話ししたりしました。

またこの訪問の前に、浦崎から「サモアで歯周病治療を広めるためにはどうしたらいいか?」という宿題が出されていました。

出発前にはいろいろな文献をあたり、まとめたものを持参し、それをもとにサモア人歯科医師と歯周病についてディスカッションを行い、僕にとっても歯周病についてさらに理解を深める貴重な時間になりました。

自分にできることを考え、少しずつ実行する

「国際協力って何?」と考えた時に私はまず、「相手方のことを知ろうとして、そして相手方のことを考えること」がその一歩だと思います。

もしこれをお読みになり、サモアに興味を持たれたならば、ルマナイサモアの活動やホームページを通じてサモアについて知っていただき、そして何かサモアについて考えて頂ければ、あなたも国際協力の第一歩を印したと言えると思います。

そして「自分にできることを考え、できることを少しずつでも実行していくこと」がその先の活動につながるのではないかと思います。

もちろん私もサモアの人々の笑顔を見るためにいろいろ考え、少しずつですができることをこれからも実行していきたいと思います。

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