幾つもの島で構成されているサモアにおいて、医療へのアクセスは長年の課題です。それに加え、設備や機材の不足、そして何より医師そのものが少ないサモアでは、誰もが十分な治療や処置を受けることができません。そのためルマナイサモアでは、医療体制の拡充とともに、国民が普段の生活習慣を改善することで病気になることを防ぐ「予防医療」の充実を通して、サモアの人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目指していきます。
ルマナイサモアの医療支援事業は、SDGs(持続可能な開発目標)の目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」の達成のために、以下のような取り組みを行っています。
- サモアでの正しい予防歯科の知識や習慣の啓発
- サモア人歯科医師・歯科衛生士の技術向上への貢献
- 歯科医療支援を通じた両国の人的交流の促進
サイピピ村むし歯予防プロジェクト
共同代表の浦崎は、歯科医師として長年医療の最前線で活躍してきました。その知見と経験をもとに、2013年から現地の歯科医師らと協力して、サモアの小学校でフッ化物洗口を実施してきました。その結果、2018年にはフッ化物洗口を実施した小学校の児童のむし歯のほとんど無くすことができました。また、同じく2018年には対象地区を拡大し、今後はサモア保健省と協働し、この予防活動をサモア全土に広げていくことを目指しています。
歯科医師のための歯周病治療技術向上プロジェクト
2018年に浦崎共同代表がサバイイ島にあるツアシビ国立病院に歯周病治療機材を寄付し、同病院に勤務する歯科医師および歯科衛生士を対象に歯周病治療の指導を実施しました。歯周病は脳梗塞や心筋梗塞、気管支炎を引き起こす原因になるだけでなく、女性では早産のリスクが高まることなど、健康への影響が報告されています。特に歯周病は糖尿病の合併症とも言われており、糖尿病患者が多いサモアでは、歯周病も隠れた問題となっています。2019年には、理事の古瀬も活動に加わり、サモア人歯科医師のさらなる技術力向上とともに、サモアの人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目指しています。
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