【活動レポート】サモア現地教育活動(2026年6月〜7月)

私たちルマナイサモアは、このビジョンを掲げ、サモアにおける医療・教育の課題解決に取り組んでいます。2026年6月27日から7月28日にかけて、当法人の板垣がサモアへ渡航し、現地での新たなプロジェクト推進と、深刻化する健康課題に向けた調査を実施してまいりました。今回の渡航では、「教育(STEAM・算数)」と「健康・栄養(医療・公衆衛生)」という2つの大きな柱で、現地の政府機関やNGOと連携しながら活動を行いました。約1ヶ月にわたる現地での奮闘と、見えてきたサモアのリアルな現状をご報告します。

1. 子どもたちの目を輝かせる!「プログラミング教育(STEAM)」の幕開け

サモアの子どもたちが、これからのデジタル社会で「自分らしさ」を表現し、世界と繋がるためには、ITリテラシーや論理的思考力を育むSTEAM教育が不可欠です。今回はKDDI財団様の助成事業の一環として、アピア市内とサバイイ島の2拠点で、LEGOを活用したプログラミング教育ワークショップを開催しました。

サモア教育省、Samoa Early Learning Foundation、American Corner(在サモア米国大使館の施設)との共催により実現した本企画には、2日間で32名の子どもたちが参加してくれました。

LEGOを使ってプログラミング教育を行う良さとして、LEGOという誰もが使い方や遊び方を知っていて、協力しながら活動しやすい点が挙げられます。このことで、子どもたちは大人の指示を受けずとも、自分たちで考え、仲間とああでもない、こうでもないと、試行錯誤しながらゴールに進んでいく学びの場を実現することができました。また、困ったら周りの大人にヒントやヘルプを求めることができる環境を整えたことで、子どもたちは安心して彼らが本来持っている知的好奇心や協働する力、創造力などを存分に発揮してくれました。当初60分の作業時間を想定していましたが、子どもたちの「もっとやりたい!」という声で、2回とも予定時間を少々オーバーしてしまいましたが、それだけ子どもたちが熱中できる課題を提供できたことが何より嬉しい出来事でした。

ワークショップ当日の運営には、2日間で9名のサモア人スタッフと、2名のJICA海外協力隊(JOCV)の方々がボランティアとして参画してくれました。ルマナイサモアだけで完結するのではなく、現地の人々を巻き込んで実施したことで、彼らの手でこの学びの機会を提供するための土台が築けたことも、大きな成果の一つです。

終了後には複数の教育施設から「うちでも開催してほしい」との打診を受けており、サモア全土におけるSTEAM教育の強いニーズと熱狂を肌で感じています。今後は単発のイベントで終わらせず、サモアに持続的にプログラムを提供できる「仕組み化」を模索していきます。

※本事業は公益財団法人KDDI財団の助成を受けて活動(実施)しております。KDDI財団の皆様、この度は誠にありがとうございました。

2. 草の根からの教育改革。「算数授業改善プロジェクト」が本格始動へ

新しい教育(STEAM)を提供する一方で、サモアの基礎学力、特に「算数」における指導力の向上も喫緊の課題です。

新規事業「教員の学び合いを通じた算数授業改善プロジェクト」をサモア敎育省に提案したのは今年の4月のことでした。その後、オンラインでのやり取りを重ね、6月になんとサモア敎育省CEOによる内部の合意を得ることができました。

今回の渡航では、同プロジェクトの本格実施に向け、サモア敎育省のプロジェクトメンバーと対面で初めて協議を行いました。

新しく始まるプロジェクトは、サモアの小学校の教員を対象に、校内研修を強化することで、教員同士が学び合いながら算数の授業の質を向上させていくことを目的に実施します。

今後、2026年11月までを目処に、教育省との間でMOU(基本合意書)を締結し、来年度より本格的に開始していく計画です。

3. 糖尿病から命を守る。現場を歩き尽くした「栄養改善・ニーズ調査」

サモアでは近年、食生活の変化により糖尿病を中心とした生活習慣病・腎臓病が急増しており、国家的な危機となっています。

今回の渡航では、この医療課題を「予防」の観点から解決に貢献できないかと考え、新規栄養改善事業に向けたニーズ調査を行いました。

サモア国立腎臓財団(NKFS)や保健省へのヒアリングをはじめ、アピア市内のマーケット視察、有機野菜農家の訪問、さらにはシウム村での食習慣調査や街角インタビューまで、トップダウンとボトムアップの両面から実態を調査しました。

現在、サモアでは成人の4人に1人が糖尿病または糖尿病予備軍と言われています。このような深刻な現状になってしまった原因は、今回のヒアリングから次の3つに集約されることがわかりました。

  1. 正しい栄養や食事の知識を得る機会が十分ではないこと
  2. 自身の健康状態を知る機会が十分ではないこと(病院へのアクセスの不足)
  3. 身の回りの食事の選択肢が十分ではないこと(健康によい食材や料理へのアクセスの不足、経済的な障壁)

とくに2や3については、病院や医師の数の不足や、輸入への依存、産業の乏しさなど、彼らの意識や姿勢の問題だけでは語れない、島国特有の限界やジレンマが背景にあります。

しかし、糖尿病は防げる病気です。「予防」できるようになることこそが、最大の解決策と言えます。

今回、保健省との協議を通じて、行政だけでは手が回らない「学校や地域での予防啓発・教育」の分野において、私たち外部NGOが介入し、支援を行う明確なニーズとスペースがあることが確認できました。

これまでルマナイサモアが行ってきた予防歯科プログラムと並行して、食事や栄養からサモアの人々の健康にアプローチする方法をこれから模索していきたいと考えています。

【あなたにできること】ルマナイサモアの仲間になりませんか?

サモアの人々の未来を創る手助けをする取り組みを、一時的なものではなく「サモアの当たり前」として根付かせていくためには、より多くの方々の継続的な支えが欠かせません。

あなたの支援が、海を越えたサモアの笑顔に直結します。「ルマナイ(未来)」を創る私たちの活動に、あなたもぜひ仲間として参加しませんか?

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「サモアの人々が、自らの可能性を信じて未来を描ける社会」の実現に向け、皆様の温かいご支援を心よりお願い申し上げます。

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