【イベントレポート】国際協力のリアルな関わり方を探るクロストーク:国連職員・古田優太郎さんと語った「キャリアと覚悟」

2026年4月12日、一般社団法人ルマナイサモア主催のオンラインクロストークイベントを開催しました。今回は、JICA海外協力隊から起業、そして国連職員へとキャリアを歩まれている古田優太郎さんをゲストに迎え、国際協力への多様な関わり方について深掘りしました。
当日は30名を超える方々にご参加いただき、予定時間を過ぎても質問が絶えない熱気あふれる時間となりました。本記事では、当日語られた「国際協力のリアル」を3つのポイントで凝縮してレポートします。
現場(草の根)と国家レベル(国連)、それぞれの視点と葛藤
古田さんは、JICA協力隊としての草の根支援、ジャマイカ教育省での政策支援、そして国際機関という3つの異なるレイヤーを経験されています。その中で感じた、それぞれの役割と課題について語ってくださいました。
- 草の根(協力隊)の視点: 個人の顔が見える支援ができ、現地のリアルな感情やニーズに直接触れられるという大きなメリットがあります。一方で、個人の力には限界があり、国や地域のシステム全体を変えるのは難しいというもどかしさも経験されたそうです。
- 国際機関(国連職員)の視点: 大きな予算と影響力を持ち、国全体の仕組みを動かすダイナミックな支援が可能です。しかし、現場との距離が遠くなりがちで、末端の人々まで本当に支援が届いているかが見えにくいという難しさがあります。
「20代で現場の泥臭さを知っているからこそ、国連という大きな立場でも、現場のニーズを想像して役割を模索できる」という古田さんの言葉は、国際協力を志す若手にとっての指針となるものでした。

キャリアの8割は偶然?「計画的偶発性理論」をどう活かすか
イベントで最も多くの参加者が驚き、共感したのが「計画的偶発性理論」のお話です。
この理論は、「キャリアの約8割は偶然によって決まる」とし、明確な目標に縛られすぎず、予測できない出来事に柔軟に対応することが、結果的にキャリア形成につながるという考え方です。
古田さんはこの理論を、ご自身の経験に重ねて語ってくださいました。
- 目標に縛られすぎない柔軟さ: ガチガチの計画を立てるよりも、目の前のチャンスに飛び込む準備ができているか。
- 「手放す」という覚悟: 新しい何かを得るためには、今の安定や場所を捨てる勇気が必要になる瞬間がある。
- 環境の選択: 偶然をただ待つのではなく、チャンスが起こりやすい環境に自ら身を置くこと。
古田さんの「ジャマイカに残るために教員を辞める」という大きな決断が、その後の国連キャリアへの偶然を呼び寄せたエピソードは、多くの参加者の背中を押しました。
AI時代だからこそ求められる「人間同士の対話」
質疑応答では「AI時代における国際協力」についても話題が及びました。AI翻訳や効率化が進む一方で、古田さんが強調されたのは「人間同士の泥臭い合意形成」です。
「異なるバックグラウンドを持つ人々の間で、どこに落としどころを見つけるか。心を通わせて合意を作ることは、AIにはできない、生身の人間にしかできないこと」。この言葉は、デジタル化が進む現代においても、対面での交流や異文化理解をミッションとするルマナイサモアの活動の意義を再確認させてくれるものでした。
以下、イベント終了後に参加者の方々からいただいた感想の一部です。

さいごに:あなたなりの「関わり方」を
古田さんからは「日本にいながらでも、週に数時間ボランティアに関わるだけでも十分な国際協力。自分の状況に合わせて、無理のない形で関わり続けてほしい」という温かいメッセージをいただきました。
イベント内では、さまざまな国際協力への関わり方が紹介され、国際協力に関心のある方々にとって、今後のキャリアを考えるうえでヒントとなる内容が詰まった機会となったのではないでしょうか。
国際協力への関わり方は、一つの正解があるわけではありません。その関わり方は人それぞれであり、自分なりの形を選んでよいという古田さんからのメッセージは、多くの参加者にとって希望になったのではないかと思います。
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