【活動レポート】LEGOプログラムの第1回トライアルを実施しました。

10/18(土)、サモアは首都アピアでLEGOを使った子ども向けのプログラミング教室を開催しました(おそらくサモアで初めての試みだと思います!)。

このプログラムは、ルマナイサモアがSamoa Early Learning Foundationという現地NGOと協働で実施する新たな事業になります。

現在はトライアルの段階で、今回は初めて実際に子どもたちに対してプログラムを実践しました。

サモアの子どもたちにLEGOを使ったプログラムを楽しんでもらえるためには、どのような準備や支援、配慮が必要か、どういうところに難しさがあるのか、どんな設備やツールが必要なのか。。。

本当にすべて一からの試みのため、正直全てが手探り状態でしたが、初回を終え、色々と気づきが多くありました。

なぜLEGOなのか

まず、サモアでLEGOを使う意義は何なのか?

この問いについては、まだ十分に説明できる自信がないのが正直なところです。

ただ、私がLEGOを使ったプログラムを初めて知ったとき、直感的に「これはサモアの子どもたちの学力を伸ばす重要なプログラムになる!」と思い、色々考える前に、とにかくまずはやってみよう!の精神で動き出しました。

今回の初回トライアルを通じて、LEGOを使う意義が朧げながらもうっすらと見えてきました。

一つは、LEGOを使うことで自然に生まれる「協働的な学び」です。

今回実践しているLEGOのプログラムは、LEGOブロックを設計図どおりに組み立て、それを動かすためのコードを書き、実際に動かす、というものです。

そして、すべてのプロセスを複数の子どもたちがグループになり、協力しながら行うことを想定しています。

正直、こういった協働で学ぶという機会は、サモアの学校ではなかなか実践される機会が少なく、それをいきなり子どもたちができるのか、という部分には一抹の不安がありました。

しかし、蓋を開けてみると、その不安は取り越し苦労だったことに、すぐに気付かされました。

子どもたちは楽しそうに、協力し合いながら、設計図どおりにLEGOを組み立て、 見事にプログラミングした通りに動かすことができました!

なぜ協働的な学びなのか

「協働」は、近年、国際的にも教育に必要と叫ばれている非認知能力(ライフスキルや21世紀スキルなどとも呼ばれます)の1つです。

非認知能力とは、テストなどでは測れない能力のことで、コミュニケーションやクリティカルシンキング、メタ認知、などが挙げられます。

この非認知能力は、社会のグローバル化や多様化が進んだことで、これまで起こらなかったような問題を解決していくために、これからの世代に必要な能力だと言われています。

また、面白いのは、非認知能力が高いほど、認知能力(いわゆる私たちが学校などで学んできた算数や国語などの能力)も高くなる、というデータを示す研究も次々に発表されています。

なかでも、私は「協働」する力が特に重要な能力の1つだと考えています。

皆さんにも、1人で取り組むよりも、みんなで知恵を出し合い、助け合って取り組んだことで何かが達成されたり解決につながった、という経験が1つや2つあると思います。

このときに感じた喜びや達成感は、何事にも代えがたい思い出になっており、自分の自信にもつながっているような気がします。

ーこれまで難しいと考えられていた社会課題が、「協働」によって解決されるー

私はそんな未来が来てほしいと思う1人ですし、子どもたちがそういった能力を発揮できるような教育を提供することで、少しずつでも世界をそんな未来に近づけたいと本気で考えています。

「教える」のではなく「環境をつくる」

最後に、「協働」について、こんな考え方があります。

ー「協働」という能力は決して教えられたからできるようになるのではなく、私たちがもともと持っている能力であり、それを適切に発揮する環境があれば、自然とその能力は発現されるー

私は、この考え方を前提に、このLEGOプログラムをデザインしていきたいと思っています。

つまり、「LEGOプログラムを子どもたちがグループで行う」という環境を提供することで、子どもたちが自然に「協働」するよさを実感し、どんどんと発揮されていくようなイメージです。

まだ、たった1回実施しただけですが、今回参加したサモアの子どもたちは、早速そんな様子を私たちに見せてくれました。

これを続けていき、より多くの子供達に届けられるようになったとき、この世界がどのように変化していくのか、それを見るのが今から本当に楽しみです。

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