【活動レポート】板垣が現地で教育支援活動を行いました(2025年5月)

2025年5月14日〜24日の日程で、板垣がサモアに渡航し、教育支援活動を行ってきました。

現地教師向け算数教育ワークショップ実施

 5月14日(水)に日本を出発し、フィジーを経由した16日(金)の早朝にサモアに到着しました。

 到着したその日は、翌日に控えたワークショップの会場となるAll Saint Anglican 小学校に訪問し、ワークショップの打ち合わせを行いました。

 5/17(土)には、教員向けの算数教育ワークショップを開催し、総勢18名の先生方が参加しました。

 ワークショップの内容は、子どもたちの基礎計算能力向上のためのプログラムと、明日からの授業で使えるような効果的な学習活動を紹介しました。

 土曜日にも関わらず、多くの先生方に参加していただき、サモアの先生たちの学ぶ意欲に高さには頭が下がります。

 皆さまからいただいたご寄付の一部は、ワークショップで配布した教師向け教材作成費用(印刷費等)および参加者のための軽食購入費に使用させていただきました。

 今後も年に1回のペースではありますが、サモアの教員の皆さんのサポートをしていきたいと考えています。

現地の小学校、特別支援学校への訪問

5/19(月)に首都近郊にある公立のSaina Toamua小学校を訪問し、算数の授業を見学しました。

教師が生徒に発表したりグループで話し合う機会を積極的に作っており、非常にアクティブな授業を行っていた一方で、グループワークの目的や意図が不明瞭であったり、生徒から多様な考え方を引き出すような発問や活動の設定にまだまだ改善の余地があり、その辺りを助言させていただきました。
こちらの学校には、クラファンで皆さまからいただいたご寄付で購入させていただいた算数セット(コンパスや定規などのキット)を40セット寄贈させていただきました。

5/20(火)には、サモアで特別支援教育を提供するNGO Aoga Fiamalamalama (アオガ・フィアマーラマラマ)を訪問しました。
昨年に引き続きの訪問となりますが、今回は校長先生にもお話を伺うことができ、サモアの障がいがある方々を取り巻く現状と課題について理解を深めることができました。 サモアでは特別支援教育を提供している学校が首都にしかなく、地方に住む障がいがある子どもたちは適切な教育を受けることができないそうです。また、教育を受けたとしても卒業後に社会に出て仕事を得ることは難しく、村や家族のもとに戻り、一生を過ごすことがほとんどのようです。
障害の有無にかかわらず、誰もが多様な選択肢を選ぶことができる社会になるために、ルマナイサモアができることを考え続けていきたいと思います。
今回クラファンでいただいたご寄付の一部は、Aoga fiamalamalamaの子どもたちが使用できる学習用具の購入に使用し、寄贈させていただきました。

また、5/22(木)には昨年算数セットを寄贈したFagalii小学校にも訪問し、子どもたちの学習活動に効果的に寄贈した算数セットが使われていることが確認できました。

地道な活動ではありますが、今後もこういった活動を通じて、サモアの学校の先生方とのコネクションや信頼関係を構築していきたいと考えています。

サモア教育省ICT課への表敬訪問

5/19(月)に、サモアの教育省に表敬訪問しました。今回の訪問の目的は、現在サモアが推進するデジタルリソースの教育への活用の現状や課題について、そして今後ルマナイサモアが協働可能性について聞き取りを行うことでした。
サモア教育省は、すでにMoodleというオンラインプラットフォームを導入し、教員への研修や環境整備を行っています。しかし、その中に格納する質の高い教育コンテンツの開発ができていません。
私たちルマナイサモアのメンバーの中には、教員経験を持つメンバーや、実際に現在も教育の専門家としてアフリカ等の国で教材の開発を支援しているメンバーがおります。本会議では、ルマナイサモアがコンテンツ開発の部分で協力関係を築くことを提案し、先方にも大変前向きに捉えていただきました。今後、省内で承認されるよう動いてくださるとのことです。今後の進展に期待したいと思います。

Samoa STEAM Education Projectの開始

5/20(火)に、Samoa Early Learning Foundationとの協議を行い、ルマナイサモアが今後STEAM教育プログラムのコンテンツを提供し、試験的に実施していくことで合意しました。
(STEAM教育とは、理科、数学だけでなくテクノロジーやエンジニアリング、アートの分野も横断的に統合した新しい形の教育アプローチのこと)
Samoa Early Learning Foundationは、現地のNGOで、サモアの子どもたちの読み書きや算数のプログラムのほか、アートなどのプログラムも提供している団体です。毎週土曜日に教会の一画を間借りし、100名以上の子どもたちにプログラムを届けています。
私たちルマナイサモアも、教育省や公立の学校などの公教育からのアプローチだけでなく、ノンフォーマルな教育からのSTEAM教育を軸にしたアプローチも検討していたところでしたので、今回現地で協働できる心強いパートナーが見つかったことを大変嬉しく思います。
本事業は、「Samoa STEAM Education Project」として、サモアの子どもたちにSTEAM教育プログラムを提供することを通じて、サモアの子どもたちに数学や理科、テクノロジーやエンジニアリング、アートの楽しさを体験してもらうことを目的に行っていきます。プログラム第一弾として、LEGOを使ったプログラムを提供していくことが決まり、早速キックオフミーティングでプログラムについての協議や実際にトライアルを行い、実装に向けた準備を行いました。
今後定期的の活動の様子をホームページやFacebook、Instagram等で報告をしていきますので、ぜひ応援のほどよろしくお願いします。

収支報告

今回の現地支援活動を実施するにあたり、2025年4月21日から5月15日までの期間でクラウドファンディングを実施しました。ご支援いただいた皆様、本当にありがとうございました。

以下は、2025年5月の現地教育支援活動にかかる収支報告となります。

1  現地で使用した費用については、JICAが公表している2025年5月のレート1WST=52.536円を用いて計算しております。

2  算数学習セットについて、在庫不足のため当初予定した購入セット数を購入することができませんでした。そのため、今回の収支残高である約18,998円は今後のルマナイサモアの現地活動に活用させていただきます。

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